2024-01-01から1年間の記事一覧

耀光

打ち寄せて 汀を浚う白波の 乾く砂面に消える泡沫 波間を走る耀きは 思い出せない在りし日の影 風が凪ぎ 鴎が空を通り過ぐ 潮騒だけが響く辺に 目蓋を閉じる私の眼 消せぬ光が記憶なら 帰らぬ声は誰のもの その輪郭をなぞっても その輪郭は閉じたまま 遠く耳…

GRAPEVINE『停電の夜』について

GRAPEVINE『停電の夜』について。 人が住まう街には、光が溢れている。 報道が流れるスクリーン。煌々と文字を告げる看板。ディスプレイを過る無数の生活。 それらは光であるのに、私達の眼には、闇を切り裂く一条の力として感じられる事は無い。 それは私達…