耀光

打ち寄せて

汀を浚う白波の

乾く砂面に消える泡沫

 

波間を走る耀きは

思い出せない在りし日の影

 

風が凪ぎ

鴎が空を通り過ぐ

 

潮騒だけが響く辺に

目蓋を閉じる私の眼

 

消せぬ光が記憶なら

帰らぬ声は誰のもの

 

その輪郭をなぞっても

その輪郭は閉じたまま

 

遠く耳を打つ

別れのような遥かな汽笛