宇多田ヒカル

宇多田ヒカル『PINK BLOOD』について

宇多田ヒカル『PINK BLOOD』について。 『PINK BLOOD』は、一人の人間が独立不羈に歩む姿を活写した曲だ。 人が自分の価値、自分の意味を捉えるには、自分自身を見つめるより他に方法がない。 そして、自分自身の価値は、いつも己の愛するもののなかにだけ存…

宇多田ヒカル『荒野の狼』について

宇多田ヒカル『荒野の狼』について。 この曲は彼女の孤独とリスナーの孤独が音楽という架け橋で結ばれていることを痛感する作品だ。 歌詞の進行としては彼女の独白だが、「歌」となった時点でリスナーも発生する故、"夢みられた対話"といったほうがふさわし…

宇多田ヒカル『Passion』について

宇多田ヒカル『Passion』について。 私はこの曲に、海と死の予感を抱く。 『Passion』のイントロを聴くと、はっきりと海が、海に沈んでいくひとりの人間の姿が脳裡に浮かぶのだ。 死が光を失った世界から訪れつつあることが、刹那に了解されるその瞬間が。 …